file.04 山田優介

file.04 山田優介

初めて優介のプレーを観たとき、ちょっとした驚きがあった。ピッチ外での優介は誠実でまじめな印象。この代の選手たちは全体的に大人しいが、その中でも物静かなほうに見える。なのに、グラウンドに立った優介は、華麗にボールを操り、ぐいぐいとドリブルで仕掛け、感情の起伏をそのままボールにぶつける。
川口監督はそんな優介を、「まだ大人になりきれていない。」という。「自分の感覚を全面に出してプレーするスタイルから、グループでプレーすることの重要性を理解しつつある段階。昨年のドイツ遠征など色々な刺激を受けて、ようやくプロになるのに必要なプレーに気付き、前向きにトライしているところです。」
優介は今年の2月、トップの熊本キャンプに帯同した。U-18からは優介の他にGKの櫻庭立樹、そして4月9日にクラブ史上最年少での先発デビューを果たした菅大輝が一緒に参加していた。菅と優介はU-12の頃から常に道内で1,2位を争ってきた。菅はコンサドーレで、優介はU-15までCASCAVEL SAPPOROというクラブチームに在籍し、競い合って得点を重ね、トレセンでは2トップを組み、切磋琢磨してきた仲だ。ライバルは?という問いにも菅の名前が。「いまは負けているけど、追い越せないとは思ってない。練習から100%で取り組む姿勢などを見習って自分も早くあの場に立ちたい。」
トップの練習に参加して一番感じたことも、この「練習から100%」ということ。「今までも、もちろん真剣にやってきたつもりだったけど、全然足りてなかった。1本のパス交換から、もう全然違った。」
「気づくのがちょっと遅いよね(笑)」それを聞いた川口監督は苦笑しつつも、「優介は遅咲き。だけどその分、もう高3ではあるけど伸びシロはまだまだある。世界へ飛び出す可能性を秘めていると思う。」と期待を寄せる。「ボールを持った時のトリッキーなプレーで観客を魅了できる選手。更に技を磨いて会場を沸かせて欲しい。」
優介の主戦場となるプリンスリーグ北海道が今週末に開幕する。目標は、「プリンスで優勝して1年でプレミアに戻ること。」決して簡単なことではない。「北海道を甘くみるなと監督にも厳しく言われている。簡単な試合はないと思うので、気を引き締めてやりたい。」
今回話を聞いた優介は、前よりも少しだけ明るくオープンな雰囲気を出していた。チームとして勝つために、3年生の自分が引っ張って行こうという自覚や、周囲からの期待を感じ、少しずつ変わってきている優介。
自分の殻を破ったとき、ピッチではさらに輝くプレーを魅せてくれるに違いない。
(※この原稿は2016.4.23のセレッソ大阪戦のマッチデープログラムに掲載されたものの転載です)

山田 優介 YAMADA Yusuke

1998年5月14日生
札幌市出身
CASCAVEL SAPPORO U-12 → CASCAVEL SAPPORO U-15 → 北海道コンサドーレ札幌U-18