file.06 高野 大

file.06 高野 大

高野大は2年生からAチームに籍を置き、高校年代最高峰のプレミアリーグにも数試合の出場経験がある。左利きでしっかりとした技術を武器とする選手だ。しかし。去年までの大の印象はどこかふわふわしていた。何かを集めるというと、忘れてきた選手の中に必ず入っている高野大。なんとユニフォームを失くし、大騒ぎしたかと思えば、後日洗濯機の裏で発見する高野大…(※)。プレー面でもなかなか結果を残せず、レギュラーには定着出来ずにいた。
そんな大が、最近しっかりしてきている。取材を受ければきちんと受け答えできるし、ピッチの中でもチームのために戦う姿勢を見せている。心なしか顔つきも引き締まってきたような…。
「頑張ってますよ…、まぁ普通だけど(笑)でも頑張ってると思う。」と川口監督。期待も込めてプリンスリーグでは開幕から4試合連続でスタメン起用している。
旭川で行われた札幌大谷戦は、大にとっては凱旋試合だった。旭川の少年団からコンサドーレ旭川U-15に進んだ。「プロになりたいから。」と強い意志を持って加入したものの、「U-18には上がれないと思っていました。札幌のU-15とあまりにも差があったから…。菅ちゃんに6点くらい決められて負けたこともあります(笑)」しかしそんな中でも、当時コーチだった川口監督を始めとするスタッフの中で、旭川U-15の中心選手として活躍する大の評価は高かった。「チームが負けていても大はやれていた。技術もあるし、左足のキックや配球の精度も高い。」聞いた時にはびっくりしたと言うが、迷いなく札幌へ。高校1年から親元を離れてしまふく寮で暮らしている。
「旭川から出てきて、なにもかもが違いすぎて…。最初の頃はまったく着いていけなかった。」プレーのレベルもさることながら、練習に臨む姿勢や意識の高さ、すべてが違っていた。「1~2年ずっと焦っていて、やっと最近、みんなに追い付いてきたと思います。」そうか、この2年間は本来の大じゃなかったんだね。だからちょっとぼんやりさんだったのかな…?「旭川のときからだらしなくて(笑)」…。「でも、そういうところも直ってきた…と、思います!」プロ選手でだらしない選手はいません、と川口監督からはキビシイお言葉。「大にはもっと自分自身をオーガナイズする力を持って欲しいですね。現状ではトップへあがれるかどうかはかなり厳しいところにいる。でもこの2年で追いつくことが出来たんだから、ここから追い越すつもりで努力して欲しい。」
プロになりたい。その思いは、サッカーを始めた時から変わらない。今、目指すのはトップ昇格だ。「生まれ育った北海道のチームで活躍したい。あとは、これまで親にもたくさん助けてもらっているので、プロになって恩返しがしたいです。」
最近の大は変わった、と思っていたけど、きっとこれが本来の姿なんだろう。焦ってふわふわともがいていた2年間を乗り越え、自分の足でしっかりと立ち、前を見ることのできている今の大なら、きっと未来を掴むことも出来ると思う。夢への第一歩として、まずは、しっかり寮の部屋を片付けようね! しまふく寮では今年10人の高校生が生活しています。松山光プロジェクトに寄せられた支援金の一部は寮に掛かる経費等にも使用されています。ひとりでも多くの未来ある選手を育成できるよう、これからも皆様のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。 (※この原稿は2016年5月28日のレノファ山口FC戦のマッチデープログラムに掲載されたものの転載です。)

*後日談*

実はこの原稿、掲載後だいぶ経ってから大からクレームが。
「ユニフォームを見つけたのは別の場所です。洗濯機の裏なんて1番に探しますよ!」…そこ?(笑)
冒頭の失くし物のエピソード、実は本人ではなく周りの証言を元に書いたものなのですが、どうやら事実はちょっと違ったようで…。
詳細に書くと長いので割愛しますが、本人の名誉のために付け加えておくと、結局見つかった場所を聞くと大ばっかりが悪い訳でもない、かも、しれない。かな?
大、ごめんね。(でも部屋は汚いよね。←しつこい)

高野 大 TAKANO DAI

1998年4月24日生
近文Jr.イーグルス → コンサドーレ旭川U-15 → 北海道コンサドーレ札幌U-18