北海道コンサドーレ札幌 百年構想リーグ総括と新シーズンに向けて
いつも北海道コンサドーレ札幌に温かいご声援をいただき、誠にありがとうございます。
百年構想リーグの全日程が終了いたしました。今シーズンも多くの皆様に熱い応援をいただきましたことを、心より感謝申し上げます。
今シーズンの振り返りと来シーズンに向けた展望をご報告いたします。
① 百年構想リーグの振り返り
新たに川井健太氏が監督に就任し迎えた「昇格枠がない特別なシーズン」という中で、2026/27シーズンでのJ1昇格を見据えた「チームの育成」と「戦術の成熟」をテーマとして戦いました。
開幕当初は勝利から遠のきましたが、現場も含めて、進むべき方向は間違いないと確信していました。トレーニングの質も高く、選手も真摯に取り組んでおり、継続していけばチームは必ず成長すると感じておりました。
今シーズンのターニングポイントは、第5節と第11節の松本山雅FC戦にあったと思います。
●第5節アウェイ松本戦: フットボールフィロソフィー「走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために」を体現できないまま敗北し、ここから選手たちのトレーニングに対する意識や姿勢が劇的に変化いたしました。
●第11節ホーム松本戦: 前回敗北した相手にリベンジを果たしたことで、チームとして大きな成長を実感し、その後の連勝街道へと繋がる確固たる成功体験となりました。
今シーズンのテーマとして掲げていた「チームの育成」「戦術の成熟」の観点から振り返ります。
チームの育成
●多様な選手起用と戦力の底上げ
若手選手や、昨シーズンまで出番が限られていた選手を含め、様々な選手をピッチへ送り出すことができました。これは決して起用の基準を下げたわけではなく、監督が要求するプレーの水準まで選手たちが成長したからです。誰が出ても高い水準のフットボールを展開できるまでに、チーム全体の戦力が底上げされたと感じています。
●ベテランの進化と起用の幅
経験豊富なベテラン選手たちが新たなポジションに果敢にチャレンジしてくれたことで、チームとしての戦術や起用の幅が大きく広がりました。
監督やコーチ陣が選手個々の特徴を深く理解し、日々のトレーニングからそれぞれの課題改善に真摯に取り組んだ結果、選手一人ひとりが目に見えるスキルアップを果たしました。それと同時に、試合毎にヒーローが生まれることで、チーム内での健全な競争意識も芽生え、互いに高め合う集団へと進化を遂げています。
戦術の成熟
攻守において、常に自分たちからアクションを起こす能動的なフットボールを目指して取り組んでまいりました。
●自陣からのビルドアップの確立
攻撃においては、相手のプレスの出方を見極めながらビルドアップ時の陣形を変化させるなど、自陣から意図的にボールを前線へ運ぶ形を一定身に付けることができました。一方で、パスを繋ぐことだけに固執するのではなく、相手のプレッシャーが厳しい局面ではロングボールを効果的に交えるなど、状況に応じた戦い方の幅を持たせられるようになっています。
●連動した組織的守備の体現
守備においては、前線からの連動したハイプレスを基本としながら、チーム全体でボールの奪いどころを明確に定めたロジカルな守備を行うことができるようになりました。
これらの戦い方が高いレベルで実践できるようになったのは、監督をはじめとするスタッフ陣が取り組むべき課題に明確な優先順位をつけ、日々のトレーニングで丁寧に落とし込みを継続できたからに他なりません。また、対戦相手の分析やスカウティングを的確に行い、ピッチへ送り出せたことも大きな要因です。選手たちも、監督・スタッフ陣を信じてトレーニングに励み、チームの戦術をより深く理解できるようになったと思います。
最終的にJ2・J3の中で8位と、まだチームに何かが足りないという課題も突きつけられましたが、選手たちが最後まで勝利を目指して戦い抜いた姿勢を誇りに思っています。
②フットボールフィロソフィー観点での振り返り
今シーズン、チームが大きく躍進した背景には、クラブが掲げるフットボールフィロソフィー「走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。」の浸透があります。
「走る、闘う」というベースの向上はもちろんですが、今シーズン最も大きな変化が見られたのは「規律を守る」という部分です。
●日頃のトレーニングからの変化: ダッシュ一本にしても、最後まで絶対に走りきる選手が明らかに増えました。
●ピッチ上での体現: ゴール前で泥臭く身体を張ってシュートブロックにいく姿勢や、ボールを失った瞬間に無意識レベルで激しく奪い返しにいく「リアクション(切り替え)」の意識がチーム全体に深く根付きました。
規律を徹底することが当たり前となり、それをやらない選手がチーム内で浮いてしまうほどの基準ができたこと、そして、ほぼ全選手がこの指導方針のもとで結果を残し、戦術の基盤を最低限のラインまで引き上げてくれたことは、今シーズンの非常に大きな収穫です。
③2026/27シーズンに向けて
2026/27シーズンは、 今シーズン培った戦術の完成度をさらに高め、チーム一丸となって必ずJ1昇格を掴み取ります。
そのために、以下の取り組みを行います。
1. 方針
現在の戦力でも十分に戦える水準にあると評価していますが、確実にJ1昇格を成し遂げるためには、さらなる質の向上が不可欠です。現在、監督と密なコミュニケーションを図りながら、必要とされるポジションの選手を獲得すべく、具体的な移籍交渉を進めています。
2. ポジション別の現状分析と補強ポイント
各ポジションにおける課題を解消するため、今期は4〜5名規模の選手補強を計画しています。
【攻撃陣(FW・アタッカー陣)】
●現状/課題:攻撃時の「チャンスクリエイト率」はリーグ上位を記録しているものの、アタッキングサード(ラスト3分の1)での精度に課題があり、フィニッシュまで持ち込めない場面が多々見受けられます。また、前線(FW陣)の得点数が少ない点も懸念材料です。
●補強方針:決定力不足を解消し、攻撃の精度を完結させられる前線の選手を補強します。
【中盤(MF陣)】
●現状/課題:試合の状況を冷静に見極め、ゲームのテンポや流れをコントロールする役割が不足しています。
●補強方針:中盤の底やインサイドで、チームの「舵取り役」を担える選手を獲得したいと考えています。
【守備陣(DF陣)】
●現状/課題:ゴール前での体を張ったシュートブロックが確実に増加し、イージーな失点自体は減少しています。しかしながら、選手層が圧倒的に不足しており、シーズンを通じた稼働に大きなリスクを抱えています。
●補強方針:過密日程や怪我人発生に耐えうる、ディフェンスラインの選手層の拡充(バックアップ・競争の促進)を図りたいと考えています。
3. チームスタッフ(メディカル体制)の改革
戦力の補強に留まらず、年間を通じて戦い抜くためのバックアップ体制の改革も急務であると考えています。
●現状/課題:今期は強度の高いトレーニングを継続できたという手応えがある一方、シーズンを通じて多くの負傷者を出す結果となりました。
●対策および改革案
•新規負傷者の減少はもちろん、負傷から復帰した選手の「再発防止」を徹底するため、メディカルチームの体制強化を行います。
•時期的な獲得難易度は高いものの、コンディショニングとケアの質を担保するため、トレーナーの増員を視野に調整を進めます。
最後に
皆さまの声援・手拍子で、勝つ確率が高まると選手時代の経験から実感しております。
38試合、簡単な試合は一つもありません。皆さまの力も借りながら、J1昇格を掴み取りたいと思います。来シーズンもともに戦ってください。
引き続き、北海道コンサドーレ札幌への熱い応援をよろしくお願いいたします。
株式会社 コンサドーレ
取締役GM 河合竜二